スルタン(ハサナル・ボルキア国王)は、2番目の石油化学コンプレックスの設立を承認した。この石油化学コンプレックスは、ブルネイ全体の発展に非常に寄与する幾つかの下流部門及び雇用をもたらすだろう。
この28億米ドルのガス・ベースの石油化学コンプレックス投資(271ヘクタールの土地のうちの90ヘクタールを利用)は、現在スンガイ・リアン公社(SLA)が開発・管理しているスンガイ・リアン工業団地(SPARK)で行なわれる予定である。
8月29日のブルネイ経済開発委員会(BEDB)による記者発表において、SLAは、「このコンプレックスが同工業団地に位置することは、SPARKの継続的な開発に非常に貢献しており、SPARKのリース土地の稼働率が約75%になります。」と述べている。
「このコンプレックスには、6基の下流部門プラント(アンモニア、尿素、燐酸二アンモニウム、硫酸アンモニウム、メラミン、及びカプロラクタム)の開発が含まれる予定であり、これらの設備から、肥料、繊維、並びにプラスチックの生産のための化学品を生産する予定です。」
この記者発表では、更に、「同プロジェクトは、三井物産と三井化学から成る三井コンソーシアムとして知られる日本コンソーシアムによって着手されます。」と説明している。
この日本の企業は、2009年11月にBEDBによって実施されたブルネイの0.5兆立方フィートの天然ガスを利用する国際入札に応募し、世界の主要コンサルタント会社であるウッド・マッケンジー社による評価の後、落札した。
国際市場におけるブルネイのイメージを改善することとは別に、この新プラントによって生産される製品は、ブルネイの輸出ポートフォリオを増して、その後石油ガスから離れた収入を生み出すだろうと、同プロジェクトを良く知る筋は述べている。
同筋は、「プラウ・ムアラ・ベサルにおける25億米ドルの製油所とクラッカーと結びついて、この石油化学コンプレックスの開発は、それらが“異なる製品を生産する”能力のため、最初の類似した設立を補うでしょう。」と付け加えた。
財政的な観点から更にブルネイに恩恵をもたらすために、この日本コンソーシアムは、同プロジェクトにブルネイ企業が最大49%の出資をするように提案した。
天然ガスが更にあることを前提として、他のガス・ベースの石油化学の提案が、検討されていると、BEDBは述べている。
記者発表において、「ガス供給の交渉が、並行して行われています。」と述べている。
‘相当な注意の過程’の主要部分として、BEDBは、総理府エネルギー局とSLAと共に、東京にある三井物産を訪ね、また大阪にある三井化学のアンモニア/尿素工場並びにメラミン工場を訪ねたと、記者発表で述べている。
詳細なエンジニアリング・スタディ(その正確な日付は明らかにされていない)は、プラント建設の前に、約12ヶ月間行われる予定である。
同コンソーシアムが、ブルネイ人の技術力を関連した分野で向上させる手段として、ブルネイ人に大学院生の奨学金を提供するので、ブルネイの人的資源能力はまた、このプロジェクトを通して強化される。そして、同プロジェクトは、約470名の雇用機会を創り出すだろう。
下流部門プラントの1基は、肥料(これは、ブルネイの食糧自給自足にとって役立つ)を生産するので、農業肥料の生産の一部は、ブルネイ政府が国内消費用に無償で予約するだろうと、BEDBは述べている。
ダトー・アリ・アポン総理府副大臣兼BEDB会長は、「BEDBは、同プロジェクトが成功するために、三井コンソーシアム及び関連ステークホルダーと密接に作業をし続けるでしょう。」と語った。
「同プロジェクトの開発の成功が、ブルネイが国際級の石油化学ハブになろうとする野心を具体化することが望まれます。三井コンソーシアムはまた、重要な日本企業、特に食料部門と医薬部門で重要な日本企業を紹介することをコミットしています。」
(B.B.2011年8月30日)
|