スルタン(ハサナル・ボルキア国王)は、貿易協定が包括的で、かつ新世代問題に対処することを考慮して、政府関係者が環太平洋経済連携協定(TPP)交渉への挑戦に対処する革新的な方法を探究する必要性を強調した。スルタンは、この交渉が来年までに終了することを願っていると述べた。
スルタンは、11月12日(土)にホノルルのハレ・コア・ホテルで開催された年次アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議でのTPP首脳会合において、こう発言した。
2日間のAPEC首脳会議での一連の会議のうちの第一回目の会議には、豪州、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、米国、及びベトナムの首脳が出席した。
交渉の進捗を承認し、また関与する政府関係者の努力を称賛する一方で、スルタンはまた、「他のTPP加盟国のように、ブルネイもまた、ブルネイが資源集約型であるので、TPPイニシャティブを実行するためには幾つかの難題に直面します。そして、対処するのにもっと多くの時間を要する新しい分野をカバーします。」と述べた。これに関して、スルタンは、柔軟性、援助、及び能力育成についてのTPP加盟国の理解を感謝した。
それにも拘らず、スルタンは、「ブルネイは、TPPに対してコミットしたままであり、共有のゴールを達成するために高い抱負を支持し、協力し続けるでしょう。」と繰り返し述べた。スルタンは、TPPへの参加を望んでいる国々について、「TPPは、包括的である必要があり、またそのような国益を歓迎します。」と、スルタンは述べた。
会議の間、首脳達は、TPP交渉の進捗を討議し、また政府関係者に話し合いを捗らせるように促した。首脳達は、政府関係者に、協定への参加に興味を持つエコノミー(国・地域)と話し合いを続けていくように指示した。
会議終了後、TPP首脳達は、できるだけ早く同協定を締結するために必要な資源を捧げるコミットメントを表した“環太平洋首脳声明”を発表した。
同会議に、ペヒン・アブドゥル・ラーマン・イブラヒム総理府第二財務大臣、ペヒン・リム・ジョク・セン第二外務貿易大臣、及びペヒン・モハンマド・ヤスミン総理府エネルギー大臣が、スルタンに同行した。
夕方に、スルタンは、APECの国・地域の首脳並びに夫人方の出席に敬意を表して、オバマ米大統領及びミッシェル・オバマ同夫人主催の晩餐会に出席した。同晩餐会は、ホノルルにあるハレ・コア・ホテルのマイリ・ガーデンで開催された。
晩餐会の後、スルタン及び他の首脳達は、文化パフォーマンスに出席した。
また、会議の後、バラク・オバマ米大統領は、「解決すべき多くの問題点がありますが、私達はそうすることができると確信しています。」と述べた。
「私達は、私達のチームに、来るべき年にこの協定を締結するように指示しました。それは、大掛かりなゴールですが、私達は、成し遂げることができると楽観的です。交渉チームは、12月初旬に会い、“作業を継続し、そして2012年に対する更なる交渉ラウンドを行う予定です。”」と、オバマ大統領は述べた。
「私達は、各国ごとに交渉すべきことが変わる微妙な問題があることを認識し、そして、私達は、共に、私達の発展レベルの多様性を考慮して、包括的でバランスのとれたパッケージで、これらの問題に対処する適切な方法を見つけなければなりません。」
「私達は、この画期的な協定を締結するために必要な資源を捧げることを、ここホノルルにおいてコミットしました。」と、オバマ大統領は述べた。
「TPPは、私達のエコノミー(国・地域)を押し上げ、貿易や投資への障壁を下げ、輸出を増やし、私達の国民のためにより多くの仕事を創りだすでしょう。これは、私の最優先課題です。」と、オバマ大統領は述べた。
「合計すると、これらの8つのエコノミー(国・地域)は、米国の5番目に大きな貿易パートナーとなります。私達は、既に毎年これらのエコノミーと2,000億米ドル以上の貿易を行なっています。そして、私達の間に約5億人の消費者がいるので、私達が一緒にできることがもっとあります。」と、オバマ大統領は付け加えた。
「より大きな意味で、TPPは、単にアジア太平洋だけでなく、将来の貿易協定のモデルにもなる可能性を持っています。それは、過去の協定でカバーできなかった全範囲の問題に対処します。それには、市場規制及び私達がそれをより互換性のあるものにする方法、成長するグローバルな市場での中小企業ビジネスの機会の創造を含んでいます。また、労働者の権利と環境を保護するための高いスタンダードも含みます。それで、私達は、これを成し遂げることができることを確信しています。」と、オバマ大統領は述べた。
米国、豪州、ブルネイ、チリ、マレーシア、ニュージーランド、ペルー、シンガポール、ベトナムの間の取引は、世界経済を回復させるための達成方法として、域内での関税及び他の貿易障壁を排除していこうとしている。
11月13日、スルタンは、午後5時頃にハワイを飛び立つ前に、本会議、それに続くAPECビジネス諮問委員会(ABAC)での対話、昼食会、及び2回目の本会議で、他の20名のAPEC首脳と会談する。
AFP通信は、次のことを付け加えている。:日本の野田佳彦首相は、日本がTPPの第10番目の国となったので、サミットの前に大きな後押しをしました。これは、グローバル経済の3分の1以上をカバーし、世界最大の自由貿易地域に発展し、欧州連合を小さくすることを意味しています。
「私は、彼(野田首相)のヴィジョンの大胆さに深く感動しました。」と、オバマ大統領は述べた。
TPPは、2005年にブルネイ、チリ、ニュージーランド、及びシンガポールの間で曖昧な協定を締結した。オバマ米大統領は、突如これを米国自由貿易圏の基礎に変えた。その後、豪州、日本、マレーシア、ペルー、米国、及びベトナムが参加し、現在に至っている。
共同声明において、TPP諸国の首脳達は、加盟国を増やすことに“強い関心”があると述べた。
TPPの主要局外者は、世界第2位の経済大国の中国である。オバマ米大統領は、中国の胡錦濤国家主席との会談を開く直前に、「中国は、国際貿易及び知的財産権保護に関して、規則に則って行なわなければならない。」と警告した。
米国は、中国のTPPへの参加を除外していないが、ヒラリー・クリントン米国務長官は、貿易協定を開放性と労働基準を含む基礎的な価値に結びつけた。
(B.B.2011年11月14日)
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